核物質の測定は、原子力分野のみならず核不拡散、核セキュリティ分野でも必要不可欠な技術 で、様々な条件下での核物質の非破壊での検知、測定が想定されます。 当グループでは、測定の目標或いは目的に応じて、 アクティブ法(パルス中性子源を用いる)による核物質の非破壊測定手法の開発と、 パッシブ法による核燃料非破壊測定装置の開発、及びその測定技術の実用化を進めています。
パルス中性子との核分裂反応や吸収反応を計測することにより、核物質の非破壊測定が可能となります。 当グループでは、その研究開発を進めています。・パッシブ法による核燃料非破壊測定装置の開発
- 中性子ダイアウェイ時間差分析法(DDA)
中性子を核物質にパルス状に照射して核分裂反応を少し誘発し、 発生する核分裂中性子を測定することにより核物質量を測定する方法です。 ウランやプルトニウム等の核物質の総量を直接的かつ短時間で測定可能という特徴を有しています。
- 高速中性子直接問いかけ(FNDI)法ついて
FNDI法は、アクティブ中性子法の一種です。透過力が高い高速中性子を利用するため、 大型容器にも適用可能という特長があります。
- JAWAS-Nについて
これまで当グループが進めてきたFNDI法の研究開発結果をベースに、 原子力機構の人形峠環境技術センターに構築した計量管理装置です。 平成27年度から、実際のウラン廃棄物を対象とした計量を実施しています。
- 燃料デブリの測定
福島第一原子力発電所(1F)事故で発生していると考えられている燃料デブリの計量管理へのFNDI法の適用性を検討しています。
- 中性子共鳴濃度分析法(NRD)の開発
NRDは、パルス中性子が核物質で吸収されるエネルギー及び吸収率について測定を行い、 ウランやプルトニウムの同定・定量をする方法です。 この手法について研究開発を進めています。
- 核不拡散用アクティブ中性子非破壊測定技術の開発
FNDI法やNRD法等の技術を組み合わせることにより、核不拡散用途に適した詳細な核物質測定技術の開発を進めています。
パルス中性子を用いた方法とは異なり、核物質自身から発生する中性子を利用した非破壊測定装置について開発を進めています。