核物質を多角的に測る:統合型NDAシステム

使用済核燃料は、非常に高い放射線を放つため、そこに含まれるウランやプルトニウムなどの核物質を壊さずに測るのは、これまで極めて困難とされてきました。

私たちはこの難題に挑み、3つの先端的な非破壊分析技術(図1)をひとつに統合した世界初の装置「NuS Active-N」(図2,3)を設計・開発しました。これにより、使用済核燃料中の核物質の量や同位体組成を高線量環境下でも非破壊で測定する道を切り開きました。

ダイアウェイ時間差分析法(DDA)Differential Die-away Analysis
中性子共鳴透過分析法(NRTA)Neutron Resonance Transmission Analysis
即発ガンマ線分析法(PGA)Prompt Gamma-ray Analysis

今後は、AI技術との連携により、得られる測定情報の幅や深さがさらに拡がることが期待されています。多くの未知に挑むこの現場で、次のブレイクスルーを生み出すのは、柔軟な発想と探究心です。

図1: NuS Active-Nに用いられている3つの非破壊分析法
図1: NuS Active-Nに用いられている3つの非破壊分析法
図2: 統合非破壊分析装置 NuS Active-N モデル図
図2: 統合非破壊分析装置 NuS Active-N モデル図
 図3: 統合非破壊分析装置 NuS Active-N 装置写真(BECKY実験室)
図3: 統合非破壊分析装置 NuS Active-N 装置写真(BECKY実験室)

詳しくは、以下の論文をご参照ください。

※本研究は、文部科学省「核セキュリティ強化等推進 事業費補助金」事業の一環として実施したものです。